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マテハンは導入するべき?自社に必要か不要かを見極める5つの基準

カテゴリー:logistics
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マテハン 導入

「人手不足や人件費の圧迫により、手作業での倉庫業務に限界を感じている。マテハンを導入すべきか?」
「仮に導入したとして、かけたコストに見合った効果が得られるのだろうか?」

マテハンを導入しようとしている企業様は、このような疑問や不安をお持ちではないでしょうか。

結論から申し上げると、以下のチェックリストに当てはまるものが一つでもある倉庫現場では、マテハンを導入した方が良いと言えるでしょう。

マテハンを導入すべき?チェックリスト
check 項目
人手不足が慢性化・深刻化している
人件費の圧迫に悩んでいる
将来を見据えて倉庫業務の自動化を推進したい
一日の入出荷件数を増やしたいが、効率化に限界を感じている
ヒューマンエラーが頻発している

マテハンを導入し業務を自動化すれば、人手不足の解消や生産性の向上といった様々な課題を解消できます。

しかしその一方でマテハン機器やベンダーの選定・ROIの見極めが難しいことから、

「多額のコストを投じたのに思ったほどの効果を得られなかった」

といった失敗に陥ってしまうリスクがあるのも事実です。

そこで本記事では、これからマテハンを導入しようか検討している企業の物流管理者様に向けて、以下の情報をわかりやすくお伝えします。

・マテハンを導入する4つのメリットと4つのデメリット
・自社倉庫にマテハン導入が必要か不要かを見極める5つの基準
・マテハンの導入にかかる費用(実際の導入事例を元に紹介)

貴社の倉庫にマテハン導入は必要か不要か、もし導入するならまずは何から手をつけるべきなのかがわかるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

【記事監修】園田真之介

物流 コンサルタント
Rally Growth株式会社 代表取締役社長。株式会社FrameworxでSEとしてキャリアを形成後、株式会社BayCurrent Consultingを経て現職。専門は物流・ロジスティクス×IT領域。過去に大手アパレルの物流・倉庫最適化や大手自動車メーカーの物流システム刷新の案件をコンサルタントとして多数経験。2021年グロービス経営大学院卒(MBA)

1.マテハンを導入する4つのメリット

マテハン 導入 メリット

まずは、マテハンを導入する4つのメリットについて解説します。

・人手不足を解消できる
・従業員の身体的負担/怪我や事故のリスクを軽減する
・生産性が向上する
・ヒューマンエラーを削減できる

マテハンを導入するかどうかを検討する前に、一般的にマテハンがどのような現場の悩みを解消し、どのような変化をもたらすかを知っておきましょう。

1-1.人手不足を解消できる

マテハンを導入する最大のメリットは、人手不足を解消できることです。

これまで人の手で行ってきた業務をマテハンで代替することで、少ない人数でも現場を回せるようになります。

具体的にどのようなマテハン機器が人手不足の解消につながるのか、以下の例を見てみましょう。

人手不足の解消につながるマテハン導入(一例)
パレタイザの導入で積み付け・積み下ろし作業を省人化
【マテハン導入前】

入荷した荷物をトラックからパレットに積み下ろし、出荷する荷物をコンベアからパレットへ積み付けする際、従業員4人程度が手作業で行っていた。

【マテハン導入後】

ロボットパレタイザを2台導入し、積み付け・積み下ろし作業をほぼ自動化

ロボットパレタイザ

画像出典:山善「ロボットパレタイザー

人間による作業はロボットが問題なく稼働しているかの確認とエラー時の対応のみとなり、4人→1人の省人化

ソーターの導入で仕分け作業を省人化
【マテハン導入前】

出荷前の荷物の仕分けを、20人のスタッフが目視・手作業で行っていた

【マテハン導入後】

ソーターを導入し、方面別・配送タイプ別の仕分け業務を自動化

ソーター

画像出典:トーヨーカネツ「パーセルポジソータ

人間の仕事は

  • ピッキングした商品をソーターに投入
  • ソーターが仕分けた商品を各レーンで受け取り最終チェック

のみとなり、20人→3人の省人化

DPS(デジタルピッキングシステム)の導入でピッキング作業を省人化
【マテハン導入前】

通常時の業務は問題なく回っているが、入出荷件数が倍増する繁忙期には人手が足りなくなり、毎年ピッキング要員として短期のアルバイトを大量採用していた

【マテハン導入後】

デジタルピッキングシステムを導入し、ピッキング作業を効率化

DPS

画像出典:シャープ「無線デジタルピッキングシステムの受注を開始

ピッキングする商品にランプが点灯し、数量がデジタル表示されることで

  • リストを見ながら商品と数量を照合する
  • ハンディターミナルによるスキャン

といった手間が省け、生産性が2倍になったことで既存のスタッフだけでも繁忙期のピッキング作業が回せるようになる

→毎年大量に採用していた短期アルバイトの雇用が不要になる

すべての業務をマテハンに代替する「完全自動化」は多額のコストと時間が必要であるため多くの企業にとっては難しいですが、上に挙げた例のように一部の業務でマテハンを活用し業務を効率化することで、人手不足の解消が期待できます。

Q.マテハンの導入で人件費は削減できる?

A.長期的には人件費の削減が期待できるが、導入当初はかえって費用がかかるので注意

マテハン導入による省人化で、人手不足の解消だけではなく人件費の削減効果を期待する企業は多いですが、マテハンを購入し稼働させればすぐに人件費が回収できるわけではありません。導入当初はイニシャルコストのキャッシュアウトの方が多く、マテハン導入にかけたコストを回収しプラスに転じるまで数年かかるケースもあります。

しかし、その後は長く稼働させるほど人件費の削減になるので、「長期的な視点でいかにプラスをもたらす設計にできるか」という点が極めて重要です。

1-2.従業員の身体的負担・怪我や事故のリスクを軽減する

従業員の身体的負担・怪我や事故のリスクを軽減するというのも、マテハンを導入するメリットの一つです。

重い荷物の運搬や事故の起こりやすいエリアへの立ち入りなど、危険の多い業務をマテハンで代替することで、従業員の安全を確保できます。

具体的には、以下のようなマテハン導入が効果的です。

従業員の身体的負担・怪我や事故のリスクを軽減するマテハン(一例)
AGV(無人搬送車)
LexTug-L

画像出典:LexxPluss「LexxPluss新製品『LexxTug』がカートラック(6輪台車)の自動搬送に対応

入出荷やロケーション移動で商品を動かす際、従業員が台車やフォークリフトを使って運ぶ必要がなくなる

重い荷物の運搬、広い倉庫内の移動といった負担を軽減するだけではなく、狭い通路を行き来することで発生する接触事故のリスクも低減できる

AGF(無人搬送フォークリフト)
自動フォークリフト

画像出典:ラピュタロボティクス「ラピュタロボティクスの自動フォークリフト「ラピュタAFL」がトヨタ車体 いなべ工場で試験運用が決定

通常のフォークリフトの場合

  • 操作ミスによる転倒
  • 安全確認を怠ったことによる接触事故

といったリスクが発生するが、AGFは自動運転のためヒューマンエラーによる事故が起こらない

万が一転倒やAGF同士での衝突があった場合も、運転手不在のため従業員に危険が及ぶことはない

また、AGFには高性能な障害物検知センサーが搭載されており、人を巻き込んでの事故のリスクも低い

自動製函機・封函機
自動製函機・封函機

画像出典:ロック株式会社「自動製函機・封函機

手作業による梱包はくり返しの動作が多く、腱鞘炎などのリスクが多い

自動製函機・封函機を導入し、段ボールの組み立てやテープ貼り作業を自動化することで、従業員の身体的負担が軽減する

このように、従業員の負担を軽減し安全な労働環境を提供できるのは、マテハン導入の大きなメリットと言えるでしょう。

1-3.生産性が向上する

マテハンの導入には、生産性が向上するというメリットもあります。

これまで人の手で行ってきた業務を自動化することで、作業スピードの向上や作業品質の安定が期待できます。

実際にマテハンの導入でどれほどの生産性向上が見込めるか、以下の事例をご覧ください。

マテハン導入により倉庫の生産性が向上した事例
ソーティングロボットの導入で、1日に仕分けられる商品の数が2.5倍に増加

【ソーティングロボット】

ソーティングロボット

画像出典:TOYOTA L&F「平面型ソーティングロボットシステム

人の手で仕分け作業を行ってきたが、ECの拡大や配送の小口化により入出荷件数が増加し、ソーティングロボットの導入で効率化を図る

→80台のソーティングロボットを導入し、8人の従業員が行う作業はシュートに投入された商品を回収、仕分け作業の生産性が2.5倍に向上した

自動倉庫×ピッキングシステムの導入でリードタイムを3分の1に短縮

【ケース自動倉庫】

ケース自動倉庫

画像出典:株式会社ダイフク「ケース自動倉庫

顧客ニーズに対応するため取り扱う商品の量を増やしたことで作業が煩雑になり、従来のオペレーションでは追いつかなくなったため旧倉庫の隣接地に倉庫を新設

大小さまざまなオーダーに対応するべく、ケース自動倉庫とピッキングシステムを導入した

→出荷指示からピッキングまでの作業が自動化され、出荷リードタイムが3分の1に短縮された

上記の事例のように、マテハンの導入は倉庫の生産性向上の効果が期待できます。

【注意】機械化・自動化することでかえって生産性が落ちるケースもある

生産性の向上はマテハン導入の代表的なメリットですが、必ずしも全ての状況においてマテハン導入が生産性の向上につながるとは限りません。

例えば、人が運転するフォークリフトは時速10~15kmほどまでスピードを出せますが、AGF(無人搬送フォークリフト)の運転速度は時速5~8kmほどで、場合によっては自動化することで作業スピードが落ちるケースもあります。

また、複雑な作業をマテハンで代替しようと思った場合、実現が難しいうえに処理速度が遅くなり、人の手の方が早くできるというケースもまだ少なくありません。

以上のことから、新たにマテハンを導入する際は

「実際に自社倉庫で稼働させた場合、本当に生産性の向上が見込めるか」
「仮に生産性が落ちたとしても、それをカバーできるほどのメリット(省人化など)があるか」

といった観点で機器の選定等を行うと良いでしょう。

1-4.ヒューマンエラーを削減できる

マテハンを導入するメリット、最後は「ヒューマンエラーを削減できる」です。

人の手で行ってきた業務をマテハンで代替することにより、うっかりミスや思い込み、確認不足といった人間特有のエラーが発生しなくなります。

マテハン導入によって発生しなくなるヒューマンエラー(一例)
手書きの出荷指示書を読み間違えたことによるピッキングミス

→ピッキングシステム・ロボットの場合は出荷指示が誤っていない限りミスは発生しない

口頭による仕分けの作業指示を聞き間違え、誤出荷が発生する

→ソーターを導入すれば自動で正しい仕分けレーンに振り分けられるため、人間の判断が介入しない

疲労や体調不良により注意力が低下し、搬送中の商品を落として破損してしまう

→AGV(自動搬送車)を導入すれば、誤作動による衝突等がない限りはいつでも安全に搬送できる

人間には判断力や作業精度にムラがある一方で、マテハンはシステム制御によって動作するため、上記のようなヒューマンエラーが発生する余地がほとんどありません。

ヒューマンエラーはクレームの発生につながるだけでなく、最悪の場合荷主との信頼関係が損なわれる恐れもあります。

そうしたリスクを防げるという点で、マテハン導入は大きなメリットがあると言えるでしょう。

2.マテハンを導入する4つのデメリット

マテハン 導入 デメリット

続いて、マテハンを導入する4つのデメリットについて解説します。

・コストと時間がかかる
・機器の故障・システム障害で稼働がストップした時のリスクが大きい
・マテハン機器やベンダーの選定が難しい
・ROI(投資対効果)の見極めが難しい

マテハンの導入にあたっては、メリットだけでなく、上記のようなデメリットも十分に把握したうえで判断するようにしましょう。

2-1.コストと時間がかかる

マテハンを導入する最大のデメリットと言えるのが、コストと時間がかかるという点です。

具体的な金額は導入する機器・台数・規模によって変わりますが、機器別のおおまかな本体費用の相場は以下のとおりです。

マテハン機器の本体費用(目安)
パレタイザ 500-3000万円/台
AGV 150万円-500万円/台
AGF 1000-2000万円/1台
自動倉庫 1.5億円~

またマテハンを導入する際は上記の本体費用に加えて、

・インフラ整備費
・メンテナンス費用
・マテハンを稼働させるためのシステム導入費

といったコストも別途発生してきます。ご参考までにAGF導入に向けて見積もりを取得した時の費目を以下でご紹介します。

マテハンの本体費用以外に発生する費目例(AGFの場合)

例えばAGFの場合、以下のような費目が発生します。過去に支援したケースでは、初期設定費で1000万円(/台)程度、カスタマイズ費用で1000-2000万円発生したケースもあるため、本体価格以外にも入念に見積もりを確認する必要があります。

  • 初期設定費(設計費・システム設定費・付属品費・現地工事費・試運転調整費)
  • カスタマイズ費用(外部機器連携/パーツ単位のカスタマイズ/対応パレット数の増加 など)

このように多額の費用が必要になることや、搬入~テスト稼働/トレーニングに多くの時間を要することから、マテハン導入を悩ましく感じる方もいらっしゃると思います

もし貴社が

「人手による倉庫業務に限界を感じているが、マテハン導入に数千万~数億円の費用などとても出せない」

という状況に陥っているのであれば、

・補助金/助成金の活用
・海外製マテハンの活用

といった選択肢を視野に入れることをお勧めします。

コスト面でマテハン導入をためらう企業に有効な選択肢
補助金の活用
「倉庫DXの推進を検討しているが予算に余裕がない」という場合は、国からの補助を受けられないか確認してみることをお勧めします。

国土交通省では、「物流施設におけるDX推進実証事業」として、補助金を受け取る企業を公募しています。

※補助対象メニュー

  • システムの構築・連携:補助上限2,500万円(補助率1/2)
  • 自動化・機械化機器の導入:補助上限1億1,500万円(補助率1/2)

詳しくは、国土交通省のWebサイトをご確認ください。

※参考:国土交通省「物流施設におけるDX推進実証事業 事業説明資料」(p.9)

中国製マテハンの活用
日本製のマテハンが高額で購入できないという場合は、中国製のマテハンを導入するというのも有効な手段です。

中国のマテハン市場は日本に比べて圧倒的に大きく、自動化の技術も進んでいることから、安価なマテハン機器が多く流通しています。

ただし、中国製マテハンを導入する際は、現地のベンダーから直接購入するのではなく、海外製マテハンの取り扱いに慣れた日本国内の代理店を通じて導入することをお勧めします。

(中国ベンダーから直接購入した場合、日本の市場に合ったサポート・サービスを十分に受けられない可能性があるため)

実際にマテハン機器を導入した場合、どのくらいのコストがかかるのかは、記事の終盤「4.実際にいくらかかる?事例から見るマテハンの導入費用」で詳しくお話しします。

2-2.機器の故障・システム障害で稼働がストップした時のリスクが大きい

機器の故障・システム障害で稼働がストップした時のリスクが大きいというのも、マテハンを導入するデメリットの一つです。

マテハン導入で業務を自動化することにより人手への依存度が下がる一方で、機械・デジタルへの依存度は高まるため

・機器の故障により業務の流れが滞る
・システム障害により機器が稼働しなくなる

といった、アナログの運用では起こりようがなかったトラブルの発生リスクがあります。

これらのトラブルが倉庫にどのようなダメージを与えるのか、具体例を見てみましょう。

マテハン機器の不具合が発生した倉庫の例
自動倉庫を導入したA社では、稼働から数日後にセンサーエラーが発生し、出荷作業が一時停止するという事態が発生した。

小型の自動倉庫であったため、手動で棚から商品を取り出し出荷作業を続行したが、作業スピードは通常の半分未満に低下。

  • 取引先へ納期遅れの連絡
  • エラーの原因特定
  • 再発防止案の策定

といった対応に追われた。

マテハン機器・システムの不具合によるリスクや被害を最小限にする対策としては、

・万が一トラブルが発生した場合に備えてのアナログ代替策を業務ごとに用意しておく
・マテハン機器は定期的にメンテナンスする
・アフターケアが手厚いマテハンベンダー・サイバーセキュリティに対する技術を持つシステムベンダーと契約する

といった方法が有効です。

2-3.マテハン機器やベンダーの選定が難しい

マテハン機器やベンダーの選定が難しいというのも、マテハンの導入のデメリットです。

なぜマテハン機器やベンダーの選定が難しいのか、その理由は大きく分けて2つの理由があります。

・選択肢が多すぎる
・現場によって「正解」が異なる

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

マテハン機器やベンダーの選定が難しい理由
理由1.選択肢が多すぎる
マテハン機器には搬送・仕分け・保管・ピッキングなどさまざまな用途に特化した製品があり、同じ用途であっても複数のタイプ・スペックの機器が存在する

例えば、漠然と「AGVを導入したい」と思って情報収集をしても、AGVを取り扱っているマテハンベンダーは数多く、各社のAGVを比較してどれが自社の運用に最も適しているかを見極めるのは難しい

理由2.現場によって「正解」が異なる
マテハン機器を選定する際には、

  • 倉庫の構造
  • 事業の特性
  • 作業員の人数やスキル
  • 既存の運用フロー

といった現場の現状を踏まえて総合的に判断する必要があり、表面的なスペックを比較しただけでは製品・ベンダーの良し悪しが判断できない

また自社にとって最適なマテハンを選定するためには、現在抱えている課題の根本原因は何か、また課題を根本解決するために最適なマテハンはどれかといった「業務整理」が必要になるが、業務整理の段階から相談に乗ってくれるマテハンベンダーは多くはない

上記のような理由から、自社倉庫に最適なマテハン機器やベンダーを迷わず選定するのは非常に難しく、社内の人間だけで判断するには限界があります。

このデメリットを回避するためには、「外部のコンサル(物流ITコンサルなど)に相談する」という対策がお勧めです。

【物流ITコンサルとは?】

企業の物流システムや機器導入をコンサル会社がサポートするサービスのこと

  • 物流業務の現状分析
  • 課題解決の提案(マテハン機器やベンダーの選定・オペレーションの変更など)

といった、倉庫管理業務の最適化やコスト削減の支援をしてもらえる

※詳しくは、以下のページを参考にしてください。

 

2-4.ROI(投資対効果)の見極めが難しい

マテハンを導入するメリット、最後は「ROI(投資対効果)の見極めが難しい」という点です。

【ROI(投資対効果)とは?】

Return On Investmentの略語で、投資した費用に対してどの程度の利益が出たのかを表す指標

一般的に、「利益(円)÷投資額(円)×100(%)」で算出される

例)1,000万円のマテハン導入により、年間100万円の人件費を削減できた場合

  • 1年スパンで見たROI:100万÷1,000万×100=10%
  • 10年スパンで見たROI:100万×10年÷1,000万×100=100%

→この場合、10年でマテハンに投資した費用が回収できたことになる

*正確なROI評価にはファイナンスの観点も加味する必要がありますが、ここでは分かりやすさを優先し上記の表現にしています

なぜマテハン導入においてROIの見極めが難しいのか、その理由は大きく分けて2つあります。

・マテハン導入にかかる総コストを算出するのが難しい
・マテハン導入によるコスト削減効果を算出するのが難しい

一体どういうことか、詳しく見てみましょう。

マテハン導入のROIの見極めが難しい理由
理由1.マテハン導入にかかる総コストを算出できない
マテハン導入のROIを算出するには、まずは投資額(=マテハン導入にかかった総コスト)を算出しなければなりません。

しかし、前もってマテハンベンダーに見積もりを取っても

  • 途中で導入する機器の種類やグレード、台数を変更した
  • オプションを追加した
  • システム(WCS・WMSなど)の導入・改修が必要になった

といった事情から追加費用がかかるケースが多く、「実際にいくらかかるのか」は導入が完了するまでわからないというのが実情です。

事前に精度の高い見積もりを取得するためには、精緻な要求仕様書(マテハンに求める機能や性能などを具体的に記述した文)をベンダーに提出することが必要ですが、これを事業会社が出すのは難しいでしょう。

理由2.マテハン導入によるコスト削減効果を算出できない
マテハン導入のROIを算出するには、投資額に対して得た利益(=マテハン導入によって削減できたコストの総額)を算出しなければなりません。

マテハン導入によって削減が期待できるコストには

  • 保管費
  • 荷役費
  • 配送費

などが挙げられますが、現行の業務で人が行っている作業をそのまま自動化させるわけではないため、導入前に「この業務をマテハンで代替するから人件費が◯円削減できる」といった計算が難しいケースがほとんどです。

マテハン導入によるコスト削減効果を算出するためには、まずは現在の業務工程の中から自動化する部分とそうでない部分を見極める「現状分析」が必須になりますが、社内の人間だけでこれを行うのは困難です。

上記のような理由から、マテハン導入のROIを事前に見極めるのは非常に難しいと言えるでしょう。

このデメリットの回避策として有効なのが、ROIを算出するうえで欠かせない「現状分析」を物流ITコンサルに支援してもらうことです。

Rally Growthでは、倉庫運用にお悩みを抱える企業様の現状分析を定量・定性の両面から行い、課題の可視化と解決策の提案を行っています。

【物流ITコンサル「Rally Growth」の現状分析(一例)】

  • 定量分析:物量データ分析・生産性分析を行い、業務影響の多い作業や効率化が図れる箇所を明確化
  • 定性分析:現場視察・経営層へのヒアリングを通じて課題を明確化
  • スペース分析:倉庫内のレイアウトを整理し、庫内のスペース制約や作業動線を明確化
  • 時間軸分析:一日の業務の流れを整理し、時間軸の観点から改善点を洗い出す

自社の倉庫業務をどこまでマテハンで自動化させれば良いかわからず、現状分析をプロにサポートしてほしいという企業様は、ぜひ以下のフォームから一度ご相談ください。

相談

3.【簡単診断】自社倉庫にマテハン導入が必要か不要かを見極める5つの基準

マテハン 導入 基準

ここからは、あなたの会社にマテハン導入が必要か不要かを見極める5つの基準を紹介します。

・人手不足が慢性化/深刻化している
・人件費の圧迫に悩んでいる
・将来を見据えて倉庫業務の自動化を推進したい
・一日の入出荷件数を増やしたいが、効率化に限界を感じている
・ヒューマンエラーが頻発している

マテハン導入のメリットとデメリットを比較しても「メリットには魅力を感じるが、デメリットがネックになって導入するかどうかを決められない」という企業様は多いのではないでしょうか。

そこで本章では、貴社が抱える倉庫運用の課題がマテハンを導入しなければ解決しないものなのか、それとも他の解決法で代替できるものなのかといった「見極めポイント」を具体例を用いて解説します。

3-1.人手不足が慢性化・深刻化している

人手不足が慢性化・深刻化しているかというのは、自社倉庫にマテハン導入が必要か不要かを見極めるうえで重要な基準です。

倉庫の人手不足を補う方法として

・一時的な従業員の増員
・オペレーションの見直し
・システムの刷新

といったものが一般的ですが、上記の方法で対応できないほど人手不足が慢性化・深刻化している場合、マテハン導入による倉庫運用の自動化・機械化を進める必要があります。

ここで重要になってくるのが、どのレベルの状況であれば「人手不足が慢性化している・深刻化している」と言えるのかという点です。

具体例を交えた見極めポイントを見てみましょう。

人手不足が慢性化・深刻化しているかの見極めポイント
マテハン導入が必要! マテハン導入が不要かも?
  • 常に人手が足りず、従業員の残業無しでは日々の業務が成り立たない
  • 少ない人数で回せるよう業務フローの改善を試みたが、状況が改善されない

→手作業で行っていた業務の一部をマテハンで自動化しなければ解決しない可能性が高い

  • 繁忙期だけ残業が必要になるなど、一時的な人手不足に陥ることがある
  • 基幹システム+Excelでの在庫管理など、アナログに近い倉庫運用をしている

→マテハン導入以外にも打つ手はある

例)

  • 他部署から応援を呼ぶ
  • 繁忙期用の業務フローを確立する
  • 求人の方針・頻度を見直す
  • 在庫管理システムやWMSの導入 など

一口に「人手不足が課題」と言っても、深刻度のレベルによってはマテハンを導入しなくても解決できる可能性があります。

人手不足への対策をまだ何も行っていない倉庫の場合、まずは業務フローやシステムの見直しを実践し、それでも状況が改善されなければマテハン導入に踏み切るといった手順を踏むと良いでしょう。

3-2.人件費の圧迫に悩んでいる

人件費の圧迫にどれほど悩んでいるかというのも、マテハン導入が必要か不要かを見極めるうえで重要な基準です。

「できるだけ人件費を削減したい」とは、多くの企業が抱える悩みですが、その悩みがどれほど差し迫ったものであるのかというのが、マテハンの必要・不要を見極めるポイントとなります。

人件費の削減にマテハン導入が有効かの見極めポイント
マテハン導入が必要! マテハン導入が不要(お勧めしない)
人件費の高騰・コスト構造上人件費の割合が多い等の理由から、このままだと将来的に経営に大きな影響を及ぼす可能性がある

→経営に支障が出ない範囲でマテハンを導入すれば、イニシャルコストはかかっても数年かけて黒字に転じる可能性がある

赤字経営が続いており、数年後の倉庫の存続すら危うい

→マテハンを導入しイニシャルコストを回収する前まで企業体力がもたない恐れがあるため、マテハン導入よりも業務の見直しや事業の縮小に向けて動くのがベター

マテハンの導入には大きなイニシャルコストがかかるため、短期的にはコスト削減につながらないというデメリットがあります。

人件費を削減しマテハンの導入費用を回収して黒字に転じるまでには、一定の期間が必要です。

そのため、「今すぐコスト削減に踏み切らなければ経営が危うい」といった差し迫った状況にある企業にはリスクが大きく、マテハンの導入はお勧めできません。

3-3.将来を見据えて倉庫業務の自動化を推進したい

あなたの会社がマテハンを導入したいと考えている動機は何でしょうか。

もし動機の一つが「将来を見据えて倉庫業務の自動化を推進したい」なのであれば、マテハン導入は早めに検討すべきです。

近年の物流業界は、

・労働人口の減少
・物流の小口/多頻度化
・EC市場の拡大

等の時代の流れが重なり、「働き手は減っているのに入出荷件数は増加している」といういびつな状況にあります。

このような環境下で人手に依存する従来の倉庫運用をし続けるには限界があり、業界内の競争に取り残されれば、企業は近い将来存続の危機に立たされます。

限られた人手で多くの物量をこなすには、もはや倉庫業務の自動化・機械化は避けて通れない道であり、こういった長期的な視点での危機意識を持っている企業は、マテハン導入(倉庫のDX化)に成功しやすいと言えるでしょう。

一方で、

「とりあえずパレタライザを導入すれば、今の業務が少しは楽になるだろう」

といった場当たり的・短期的な発想に基づくマテハン導入は、非常にリスクが高いと言えます。

なぜなら、個別機器の導入が倉庫全体の最適化に繋がるとは限らず、万が一導入した機器が現場の運用にマッチしなかった場合、かえって非効率になるケースもあるからです。

マテハン導入に対する将来的なビジョンがない企業様の場合は、まずは社内全体で現場の課題を整理し、「5年後、10年後どんな倉庫にしていきたいか」というロードマップを描くことから始めるのをお勧めします。

【まとめ】マテハン導入を今やるべきかの見極めポイント
今導入すべき 今すぐの導入は要検討
社内で倉庫業務の自動化推進計画があり、将来を見据えて段階的にマテハンを導入していきたい

→自動化の一環としてマテハン導入を捉えているため、効果を最大化しやすい

今目の前の課題を解決するためにピンポイントでマテハンを導入したい

→部分最適を進めてしまった結果失敗に終わる(かえって非効率になる)危険があるため、まずは自動化に向けた全体のロードマップを作成することが望ましい(自動倉庫やAGVなどの導入を視野に入れている場合は特に)

倉庫全体のDXについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

3-4.一日の入出荷件数を増やしたいが、効率化に限界を感じている

倉庫業務の効率化に限界を感じているかというのも、マテハン導入を検討するうえで重要な基準になります。

一日にこなさなければならない(将来的にこなせるようになりたい)入出荷量に対して作業が追いついていない場合、まずは

・オペレーションの見直し
・作業導線の見直し
・倉庫レイアウトの見直し
・システムの刷新

といった対策をとるのが一般的です。

しかし、上記の対策で効率化を図ってもなお作業の手が追いつかない場合は、マテハン導入による倉庫運用の自動化・機械化を進める必要があります。

ここで重要になってくるのが、「現時点でマテハン導入以外の効率化をどれだけ実践しているか」という点です。

具体例を交えた見極めポイントを見てみましょう。

マテハンを導入しての業務効率化が必要か不要かの見極めポイント
マテハン導入が必要! マテハン導入が不要
(他の方法から手を付けた方が良い)
既存の設備でできる限りの効率化を図ったが、目標の作業スピードにどうしても届かない

例)

「一日にこなせる入出荷件数を3倍にする」を目標に、WMS(倉庫管理システム)を導入。ハンディターミナルとバーコードで商品の情報を管理し、業務の標準化を図った。商品の保管方法はフリーロケーションに変更し、ピッキング導線がスムーズになるよう作業スペースのレイアウトも変更したが、作業スピードは2倍までしか上がらなかった

→人手による作業の効率化が限界に達している状態。ピッキングや仕分けなど、特に時間がかかっている業務を特定し、人間よりも処理能力の高いマテハンを導入することでさらなる効率化が期待できる

漠然と「マテハンを導入して業務を効率化させたい」と考えているものの、現時点では具体的な対策は何も実行していない

→大きなコストをかけてマテハンを導入しなくても、業務の見直しやシステムの刷新で目標の作業スピードを達成できる可能性がある

マテハンの導入には多額のコストがかかるうえに、機械化・自動化したにも関わらず生産性が上がらないケースもあるため、本当にマテハン導入が自社倉庫の効率化に繋がるかを慎重に検討するべきです。

業務効率化の対策をまだ何も行っていない倉庫の場合、まずは業務フローやシステムの見直しを実践し、それでも状況が改善されなければマテハン導入に踏み切るといった手順を踏むと良いでしょう。

3-5.ヒューマンエラーが頻発している

自社倉庫にマテハン導入が必要か不要かを見極めるうえで重要な基準、最後は「ヒューマンエラーが頻発しているか」です。

人の手で作業している以上、確認漏れによる誤出荷やうっかりミスによる商品の破損といったヒューマンエラーを完全に防ぐことはできません。

ヒューマンエラーがあまりに多く、荷主との信頼関係に影響が及んでいるといった場合は、マテハンによる業務の自動化が有効な手段だと言えるでしょう。

ヒューマンエラーが深刻化しているかの見極めポイント
マテハン導入が必要! マテハン導入が不要かも?
一日に何度も確認ミス・判断ミスが発生し、納期遅れや誤出荷が頻発。荷主との関係が悪化しつつあり、クレーム対応が従業員の負担になっている

→ヒューマンエラーが多発している業務をマテハンで自動化させることで、ミスの件数削減効果が期待できる

誤出荷や商品の破損・廃棄がごくたまに発生するが、業界内では比較的ミスが少なく荷主からの信頼も厚い

→マテハンを導入しても、かけたコストに見合った成果が出ない可能性がある

「ヒューマンエラーが何件以上発生していればマテハンを導入すべき」といった明確な基準はありませんが、以下のような数値をKPIとしてヒューマンエラーの発生率を管理・評価している企業は多いので参考にしてみてください。

ヒューマンエラーの評価軸
納期 納期遵守率
正確性 誤出荷率
在庫 在庫差異率
梱包/輸送 破損・汚損率
クレーム対応 クレーム発生率

4.実際にいくらかかる?事例から見るマテハンの導入費用

wms 導入費用

最後は、マテハンの導入にかかる費用について、実際の事例をもとにご紹介します。

ここまでの内容を読んで、

「結局のところ、マテハンの導入にはどのくらいの費用がかかるのか?」

と気になった方は多いのではないでしょうか。

マテハンの導入金額は

・導入する機器
・ベンダー
・台数
・規模
・製品のグレード

など、さまざまな要因によって変わるため、一般的な費用の相場を具体的な金額で算出・提示するのが難しいというのが実際のところです。

そこで本章では、企業が実際にマテハンを導入した2つの事例を紹介します。

以下の事例をご覧になって、「思ったよりも手が届きそうな価格帯だ」「うちはもう少し小規模に導入した方が良さそうだ」といった、費用感の目安として参考にしていただければ幸いです。

事例1.台車型AGVを月額52,000円(/台)のリースで導入

人件費の削減に成功し、導入費用を1年で回収したケース

【マテハン導入の背景】

人手不足の中、商品の搬送に大幅な時間を取られてしまうという課題を抱えていたA社。

この課題を解決するために、AGV導入によって搬送作業の自動化を目指した。

【マテハン導入の効果】

  • 台車型AGVを1台あたり月額52,000円の5年リースで導入
  • 月間移動距離は290km
  • 搬送作業の無人化に成功し、人件費の削減効果は従業員3名分となる年間1,080万円約1年でマテハンの導入費用を回収した。

 

事例2.自社専用のAGVを一から製作・導入

約1億5,000万円の費用をかけ、人件費とヒューマンエラーの削減に成功したケース

【マテハン導入の背景】

医薬品メーカーであるB社は、

  • ホコリや細菌を持ち込まずに医薬品を運ぶ
  • ヒューマンエラーを削減する

を目的とし、搬送作業の自動化のためにAGVを導入することを決定。

取り扱う商品が繊細であるため、ロボットメーカーに製作を依頼し、自社専用のAGVを購入した。

【マテハン導入の効果】

  • 約1億5,000万円もの費用をかけ、オリジナルのAGVを4台導入
  • 倉庫に出入りする作業員が減ったため、衛生面が向上
  • 作業の自動化により、人件費・ヒューマンエラーの削減に成功

上の2つの事例から、マテハンの導入費用は月額数万円でリースできる安価なものから1億円以上をかけてのフルオーダーまで、非常に幅広いことがわかります。

Q.マテハンは購入とリース(長期賃貸)、どちらがお得?

A.総額はあまり変わらないケースが多いため、企業の事業・財務状況に合ったものを選ぶと良い

「何年使い続けるかわからないし、リースの方が総コストは安く抑えられるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、リースでのマテハン導入は、本体費用を全額支払い続けるような契約になっていることが多いです。そのため、基本的には「購入は一括払い・リースは分割払い」と考えておき、企業の事業や財務状況(まとまった金額が支払えないならリースなど)に合ったものを選ぶと良いでしょう。また、導入に工事が不要なマテハンであれば、レンタルやサブスクリプションで利用できるものもあるため、小規模なマテハン導入を検討しているのならこれらを視野に入れてみるのもお勧めです。

5.マテハンを導入するならまずはコンサルに相談を!物流ITコンサルのRally Growth

Rally Growth株式会社

「マテハンを導入しよう」と決めたら、以下の手順で導入の準備を進める必要があります。

【マテハン導入に必要な手順(一例)】

  • 現状の倉庫業務の課題を洗い出し
  • マテハン導入によって実現したい目標の設定
  • マテハン機器の選定
  • マテハンベンダーの選定
  • 連携させるシステムのベンダー選定/要件定義/設計/開発
  • テスト稼働/トレーニング

これらの手順を社内の人間だけで進めるのは難しく、特に難易度の高い課題の洗い出し・目標設定・ベンダーの選定においては、その道のプロフェッショナルである外部コンサル等の支援を受けることをお勧めします。

Rally Growthは、マテハンやその他システムを活用した倉庫の効率化を支援する「物流ITコンサルタント」です。

Rally Growthとは?
2021年に創立した、ミドルマーケットを中心としたDX化/新規事業構築支援を行う、ビジネスコンサルティングファームです。

代表の園田を中心に物流業界に知見のあるメンバーが集まっており、主に物流DXに関連する案件を中心に、複数の企業を支援しています。

Rally Growthの強み
強みその1.多数のマテハン・WMS導入支援実績

Rally Growthでは、これまで多数の企業にマテハン・WMS導入支援を行ってきました。

自動倉庫やAGV、パレタイザ・デパレタイザなどの導入や、それに伴うWMS刷新・システム連携の案件などを多数経験しています。

  • 自社の業務課題を考えると、どのマテハンの導入を検討すべきか
  • どのベンダーに声をかけて、どのように導入ステップを進行すればよいのか
  • ROIの算出や社内の稟議資料をどのように進めれば良いのか
  • システム連携面などでIT部門に確認しておかないといけないことはないのか

など、導入を検討時に出てくる悩ましい点に対し、豊富な経験と実績をもとにご提案させていただきます。

強みその2.豊富な知識に基づいた広い視点での企画・提案ができる

これまで物流の改善企画を数多く支援してきた経験から、

  • 一般的な物流の仕組み
  • 物流現場の実情
  • 物流システム
  • マテハン

など、物流業界の幅広い知識を持っているのは、Rally Growthの大きな強みです。

「課題が多岐にわたっていて、何から手をつけて良いかわからない」という場合でも、広い視点での企画・提案ができます。

お客様の支援事例
【プロジェクト概要】

  • 業態:製造小売
  • 取扱製品:アパレル
  • 従業員数:約35,000人
  • 導入目的:基幹システム・マテハン・WMSを連携させ、超省人化を実現させる

【プロジェクト背景】

6階建ての延床面積約10万㎡という巨大な専用物流倉庫を建設した同社は、マテリアルハンドリングメーカーと手を組み、RFID(無線自動識別)や自動倉庫、自動搬送機などを取り入れたプロジェクトを発足しました。

【支援内容】

弊社も当プロジェクトに参画し、主に以下3つの支援をさせていただきました。

  • 新倉庫の構想策定
  • マテハンの選定
  • WMSの選定

最適なベンダーを探すべく、ベンダー選定に先立って多種多様なマテハンを活用したオペレーションの設計を行っていましたが、既存のクラウド製品ではマテハンとの連携はもちろん、同社の基幹システムとの連携も難しかったため、オンプレミス型かつフルスクラッチでのシステム構築に踏み切りました。

結果として大規模な物流倉庫の立ち上げに成功し、今では日本最大級の省人化倉庫として日々稼働しています。

>>Rally Growthの支援事例をさらに詳しく見る

マテハンの導入やシステムとの連携には多額のコストがかかり、場合によっては総コストが数千万~数億円にのぼる可能性もあります。

多額の予算を割いて最新マテハンを導入しても、綿密な計画を練らなければ、倉庫業務の改善に十分な効果を発揮させられません。

「自社倉庫の課題と徹底的に向き合い、最適なマテハン機器・ベンダーを選定したい」
「目の前の課題に対処するだけではなく、10年後、20年後も生き残れる倉庫運用がしたい」

と考えている方こそ、まずはお気軽にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】

Rally Growth株式会社への物流に関するコンサルティング案件のご相談はこちらより承っております。ぜひお気軽にご相談ください。

相談

※顧客への対応や提案にお困りのマテハンベンダー様も、ぜひ上のフォームからご相談ください。
当社はマテハンベンダー様との協業も視野に入れており、顧客の業務整理からマテハン・システム要求事項の洗い出し、営業フェーズのお手伝いも可能です。

【資料請求】

以下よりRally Growthのサービス資料もご請求いただけます。

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ご支援の全体像や具体的なご支援プランを掲載していますので、物流を中心としたDX支援のサービスをご検討の方はぜひご一読ください。

<Rally Growth サービス資料イメージ>

Rally Growth サービス資料

6.まとめ

最後に、本記事の重要ポイントをおさらいします。

▼マテハンを導入する4つのメリット

  • 人手不足を解消できる
  • 従業員の身体的負担・怪我や事故のリスクを軽減する
  • 生産性が向上する
  • ヒューマンエラーを削減できる

▼マテハンを導入する4つのデメリット

  • コストと時間がかかる
  • 機器の故障・システム障害で稼働がストップした時のリスクが大きい
  • マテハン機器やベンダーの選定が難しい
  • ROI(投資対効果)の見極めが難しい

→機器とベンダーの選定・ROIの見極めは物流ITコンサルに支援を受けるのがお勧め

▼自社倉庫にマテハン導入が必要か不要かを見極める5つの基準

  • 人手不足が慢性化・深刻化している
  • 人件費の圧迫に悩んでいる
  • 将来を見据えて倉庫業務の自動化を推進したい
  • 一日の入出荷件数を増やしたいが、効率化に限界を感じている
  • ヒューマンエラーが頻発している

→抱えている課題が「マテハンを導入しなければ解決できないのか」に注目することで、マテハンが必要か不要かを見極められる

本記事の内容が、貴社の倉庫運用改善のきっかけになりましたら幸いです。

この記事を書いた人
安孫子悠介

安孫子悠介

Rally Note編集長 &Rally Growth株式会社 取締役。 専門はBtoB営業とマーケティング。KPI設計を含めた営業戦略・営業現場改善や、コンテンツマーケ、CRM、サイトUX改善などデジタルに強み。

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